おとなのための楽しいピアノスタディ2
ブラインドタッチで弾ける おとなのための楽しいピアノスタディ2
昨年はじめに第2巻を終了して、今は(しつこく)第3巻をやっています。
第2巻は28曲が収録されていますが、その中でも印象に残ったものをいくつかご紹介します。
シバの女王
メロディーがなんだか古臭いし、和音にも不協和音が多くて、テンションがあまり上りませんでした。
和音は、もっと美しい組み合わせが色々あると思うのですが、あまり複雑なものだと指が追いつかず、ブラインドタッチの習得に向いていないのかもしれません。
サンタルチア
この曲、# が2つもあって、最初楽譜を見た時にひるんでしまいましたが、弾いてみればなんとかなるものです。イタリアのカンツォーネをピアノで弾くことができて、とても嬉しかったです。
ガヴォット
この曲が、なぜこの段階で、ブラインドタッチの練習曲として出てくるのか、よく分かりませんでした。
というのも、1オクターブ離れた音を行き来する箇所が、やたら多いのです。しかもスタッカートなので、着地点がズレることといったらハンパない……
本テキストの主旨である「ブラインドタッチをマスターする」ために、あまり手元を見ないようにしていたのですが、この曲は手元を見たとしても、すぐに弾けるようにはなりません。
1オクターブ往復の箇所で、間違わないようにと手元をチラッと見るのですが、その後楽譜に視線を戻そうとしても、どの部分を弾いていたを探すのに、やたら時間がかかってしまうのです。
ネットの動画をいくつか観てみたのですが、1オクターブ往復の箇所では手元を見ながら弾いている方が多かったです。
完全に暗譜して、手元を自由に見られるようにすれば間違わないのかもしれませんが、暗譜をせずに手元を全く見ずに弾ける方って、どれくらいいらっしゃるのでしょうか。(~ ~;
それでも、この曲で難航している時期、自分で解決策を見つける習慣を身につけることができて、良かったのかなと思います。
暗譜せず、ブランドタッチで「スタッカートの1オクターブ往復」を弾くというのはかなり難しかったのですが、最終的には以下のような工夫で乗り切りました。
- 手をなるべく鍵盤から高くあげないように、鍵盤スレスレの高さで反復横跳びをするような感じで弾く(曲調がやや固くなってしまうのですが、弾き間違いは減ります)。
- 楽譜の中で、手元を確認するのが必要な位置(よく弾き間違える箇所)を予め洗い出して目印みたいなものを付け、手元を見て弾いた後に、その目印を目標に視線を戻す。
第3巻に入ると「最初に楽譜をドレミの音階で歌い、スラスラと歌えるようになってからピアノで弾く」というステップが追加されます。ちょっと面倒くさいのですが、これをやると、ピアノの全鍵盤の位置の感覚が身につきやすいです。「ガヴォット」を弾く時に知っておきたかったなぁ。
あと、この曲でピアノが停滞していた時期、ピアニストの井上直幸さんのDVD ピアノ奏法 1、ピアノ奏法 2 を観てみました。様々なテクニックも紹介されているのですが、それ以外にも「自分で工夫して弾いてみることの大切さ、そして楽しさ」を、時に笑顔で、時に真摯に語っておられて、それを聴いていると、なんだかとても勇気が湧いてきました。
実は、これまでにも何冊かピアノ奏法関連の本を買ってみたのですが、何かピンとこなかったのです(自分のやっているレベルと合わなかったのかもしれませんが)。
このDVDを観て、ピアニストは「作曲家はこの曲を、どんな思いで作ったのだろうか」、「このパートをイメージに通りに弾くには、どんなタッチにすれば良いのだろうか」など、様々なことを調べたり、手探りで試したりしながら、少しずつ演奏を仕上げていくのだ、ということを知りました。面倒だけれど、それこそがピアノを弾く醍醐味なのだということも。
幸せなら手をたたこう
アメリカ民謡なのですが、日本語歌詞の曲としても有名で、CMソングにも(替え歌などを含めて)よく使われています。
楽しい曲なのですが、「この曲を弾くと、変な音が鳴る(合いの手が入る)」という現象を体験しました。
幸せなら手をたたこう(チー)
幸せなら手をたたこう(チー)
幸せなら態度で示そうよ(チー)……
最初、窓の外で野鳥が鳴いて、合いの手を入れているのかと思いました(私のピアノに合わせて (^o^; )。
でもよくよく調べてみると、電子ピアノのボリュームを適正な大きさにしていなかったために生じたノイズだということが分かりました。
「幸せなら手をたたこ〜う」の「こ〜う」の所で、明るい感じにしようと、跳ねるように弾いたために出てしまったようです。
私が使用しているメーカーの機種では、ボリュームのつまみを50%か、やや上くらいにすると、音の強弱の再現性が生ピアノに近くなるらしいのですが、この曲を弾いている時は、周囲にうるさくないようにと50%よりやや下で弾いていたのです。
そのせいなのか、サンプリングされた弦の共鳴音が、必要以上に鳴って再生されてしまっていたようです。
初心者あるあるかもしれませんが、心当たりのある方は、マニュアルを参照して、ボリュームを調整してみてください。
現在は、ボリューム80〜100%で、弾き方で音量を調整するようにしています。
別れの曲
指の移動が少し複雑になってきたため、この曲から楽譜をコピーして赤ペン(フリクションボール)で書き込みをするようになりました。
ゆったりとした気持ちが良い曲です。弾き込めば弾き込むほど、色んな弾き方を試したくなるという経験も、この曲から始まったような気がします。
峠の我が家
原曲は「バッファローがうろつく地に家を与えたまえ」という歌い出しの、広大なアメリカを彷彿とさせる曲です。
自分の書き込みを見返してみると、「ここで手首をふわりと上げる」というマークが増えており、手首の使い方を模索しはじめた時期でもありました。
アロハ・オエ
譜面はぱっと見だと易しそうに見えるのですが、右手のメロディーを左手の伴奏が追いかける形式で、タイミングを合わせるのがけっこう難しかったです。
このシリーズの楽譜を始める前に、別の楽譜で似たような形式の曲をやって、上手く弾けずに辟易した経験があり、最初、大丈夫かな〜とちょっと不安になりました。
左手のフレーズが終わりきらないうちに、右手のフレーズが始まる。
右手のフレーズを気持ちよく弾いているときに、左手のフレーズが違うテンポで乗っかってくる。
こんな時によく弾き間違えたり、両手のテンポが狂ってしまったりしていたのです。
でも、違うフレーズが重なるタイミングのところに、赤ペンで縦の点線を入れ、その部分を集中的に練習すると、段々なめらかに弾けるようになりました。
そして運指が上手くいき始めると、もうちょっと情感を込めてとか、ハワイの海を思わせるようにとか、いろんな工夫を入れながら弾くようになり、ピアノを弾きながら、ハワイを旅行したような気分になりました。(^o^
こちらの動画は、映像はちょっと古いのですが、ハワイ語の優しい響きとノスタルジックな風景が楽しめます。
ます
シューベルトが作った、とてもかわいらしい曲。弾き込んでいくと、ますが湖の水面からちらりと顔をみせたり、すぐに隠れてしまったり、なんていう情景が浮かんできました。
そのかわいらしさを表現するために、「手首が弧を描くように」とか、「指を高い位置から下ろして弾く」みたいな書き込みが増えてきました。
練習中は色んな弾き方をして楽しむことができましたが、そろそろ曲を仕上げなきゃという段階で、何が一番ふさわしいやりかたなのかかが分からなくなり、完成するのに、思ったより長くかかってしまった曲です。